ASK! CanonS&S 実は多くの企業に影響する「経過措置」
~消費税10%・軽減税率への準備 その4~

2019.4.1 掲載

10月1日を境に消費税増税により税率は10%になります。このうち飲食品類は軽減税率導入により8%の税率が適用されます。そのため帳簿も10%と8%に分けて記載することが必要となります。
しかし、実は軽減税率以外にも消費税率8%になるケースがあることをご存じでしょうか。
今回は、10月1日以降も消費税率8%が適用される「経過措置」の内容と会計上の注意についてご説明します。

「経過措置」とは?

「経過措置」とは、10月1日以降も消費税率8%に据え置かれる特別措置です。
主に、工事契約など契約の締結日から完成引き渡しまで長期間にわたるものに対して設けられます。

身近なものですと、通勤定期券は10月1日をまたぐ期間分を9月30日までに購入する場合、10月1日以降の日にち分も消費税率8%が適用されます。
工事等の請負契約では、2019年3月31日以前に建築・工事などの請負契約の締結をしている場合には、経過措置が適用され10月1日以降の引き渡しでも消費税率8%が適用されます。
消費税法により、「経過措置」が該当する取引については必ず旧税率(8%)で消費税額を計算する必要があります。

「経過措置」が適用される品目

「経過措置」が適用される取引には、上記の通勤定期券の他に、下図の工事や製造、ソフトウエア等の請負契約などがあります。

請負契約、引き渡し時期と消費税

「経過措置対象」

具体的には、以下の10項目が「経過措置」対象となり、要件を満たせば消費税率8%が適用されます。

  1. 旅客運賃
  2. 電気料金等
  3. 請負工事等
  4. 資産の貸付け
  5. 指定役務の提供
  6. 予約販売に係る書籍等
  7. 特定新聞
  8. 通信販売
  9. 有料老人ホーム
  10. 特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)に規定する再商品化等

※詳しくはこちら
消費税等に関する経過措置について  (PDF形式:国税庁)

「経過措置」対象品目取り扱い時の注意点

前述の通り、「経過措置」対象品目で要件を満たすものには消費税8%が適用されます。さらに、経過措置の8%と軽減税率の8%を区別する必要があります。
したがって、帳簿へ記載する際は、個々の品目の契約内容を把握し、「経過措置」の影響を受けるものは正しい税率を割り当てる必要があります。

まずは、契約の洗い出しを実施して頂き、10月1日以降も消費税率8%となる「経過措置」対象品目と、該当しない品目を正しく把握しましょう。
そして、ご利用中の会計システムが「経過措置」に対応できるか、ご確認ください。